光明歌壇 《2023年度》
福岡教化部の歌人達による歌の会、光明歌壇です。
※毎月第4木曜日にLINEで「ひまわり短歌会」を開催しております。
私も一緒に参加したいと言う方がいらっしゃいましたら、教化部・松尾までご連絡ください。
光明歌壇 《2024年3月》
光明歌壇大内マツノ・選
- 初詣で子らを抱きて鈴鳴らし親子の願いを込めて祈りぬ志岐 咲江(和白地区連)
- 南天と松 百合 菊にうらじろと床の間に活け正月を待つ秋月 慶子(岡垣地区連)
- 春の日の畠仕事の老夫婦秋に通れば重機入りたり宮森 和子(勝山地区連)
- 広窓より差し込む光背に受けて外寒ければ温もり優し田上 めぐみ(新宮地区連)
- 夕ごとに吾が撒く餌に寄りてくる雀は冬日にふくだみており薛 光子(福間地区連)
光明歌壇 《2024年2月》
光明歌壇大内マツノ・選
- 恒例の餅つき交流賑やかに息の合いたる杵とかけ声鈴木 昭子(春日東地区連)
- 茶陶なる高取焼の窯開き冬の紅葉を一景として西野 悦子(天神地区連)
- 石段の椎の実踏みてゆく夕べ弾ける音に足軽くして稲葉 さつき(行橋東部地区連)
- 夫婦して足立美術館に行く夢はもうあきらめたわと友は介護する薛 光子(福間地区連)
- 仕事終え小さき社に手を合わせ日暮れの道をゆっくり歩む中村 智子(勝山地区連)
光明歌壇 《2024年1月》
光明歌壇大内マツノ・選
- 文化祭コーラスの部で「故郷」を会場皆で立ち合唱す秋月 慶子(岡垣地区連)
- 夏詠みし樹木の名前忘れたり落葉散り敷くバス停に立ち西野 悦子(天神地区連)
- 我ら二人見守られる側になっていた息子ふらりと遠方より来て薛 光子(福間地区連)
- 色づきし柿の葉で祈る小鳥たち色も形も不揃いが良し稲葉 さつき(行橋東部地区連)
- 亡き母の小花のブラウス羽織るとき母に似てきし鏡の中に木下 美恵子(行橋東部地区連)
光明歌壇 《2023年12月》
光明歌壇大内マツノ・選
- 庭に伸びたる雪の下の若き芽をカップに挿してフェスタに出しぬ田上 めぐみ(新宮地区連)
- クズ覆う原に一陣の風の来て葉裏に数多花咲くが見ゆ薛 光子(福間地区連)
- バスツアー隣の声も聞き取れずうなずき笑うトンネルの中志岐 咲江(和白地区連)
- 病床で思い出ずるは遠い日の高原に咲くりんどうの花木下 美恵子(行橋東部地区連)
- 夫の通うウクレレ講座の課題曲十月からは「きよしこのよる」とぞ薛 光子(福間地区連)
光明歌壇 《2023年11月》
光明歌壇大内マツノ・選
- 食卓でふと目に留まる向日葵をはかなく思いシャッターを切る壬生 ちどり(荒江地区連)
- 補聴器の電池交換したはずが古いのを入れて新しいのを捨て鈴屋 敏子(福間地区連)
- 畦道に競い咲きいる彼岸花暑きが中に時を忘れず志岐 咲江(和白地区連)
- 青竹のそうめん流しに参加せし小一年の目は輝きて稲葉 さつき(行橋東部地区連)
- 森の中苔のじゅうたん敷き詰める不思議な世界白駒の池鈴木 昭子(春日東地区連)
光明歌壇 《2023年10月》
光明歌壇大内マツノ・選
- ゆらゆらと陽炎ゆるるアスファルトむし暑き街汗ふき歩く上田 道子(宗像地区連)
- 黒く熟れ甘味増せしか犬枇杷を雀の親子はひたすらに食う薛 光子(福間地区連)
- ブラウスをベストにかえてリフォームす花柄うれし七十二歳木下 美恵子(行橋東部地区連)
- 熱き茶を飲みて座りて書に向かう朝蝉の声涼しき中に西野 悦子(天神地区連)
- 実家より移植せし檸檬の樹に今朝は清々しき花を付けたり中村 初枝(苅田地区連)
光明歌壇 《2023年9月》
光明歌壇大内マツノ・選
- 目隠しの声高らかに西瓜割る陽やけの顔の逞しきかな志岐 咲江(和白地区連)
- 水田に一羽のつばめ降り立ちて巣作りせるや土咥えゆく稲葉 さつき(行橋東部地区連)
- 祖母と来しお百度参りの石段は今日来て見れば苔に覆わる宮森 和子(勝山地区連)
- 故郷の一人暮らしの姉の庭菓子のお礼に草取りてやる壬生 ちどり(荒江地区連)
- 庭の葉に幾多の蝉の殻見つけ育ついのちの蝉声を聞く田上 めぐみ(新宮地区連)
光明歌壇 《2023年8月》
光明歌壇大内マツノ・選
- 山形に永住するという子より届きしサクランボ色の濃きかな薛 光子(福間地区連)
- 梅雨寒き部屋に香たき写経せば心清しくととのいゆけり西野 悦子(天神地区連)
- 開かずの間掃除して出た猪口の数過去の式事の賑わい聴こゆ山田 智世(春日地区連)
- 石段を登り来たれば静けさに妙見宮の鈴の音ひびく中村 智子(勝山地区連)
- 君逝きて九年の月日流れたり次の出あいも妻でありたし須藤 慶子(東地区連)
光明歌壇 《2023年7月》
光明歌壇大内マツノ・選
- 再びを会えざる今日の薫風やさやかに梢揺らして過ぎぬ西野 悦子(天神地区連)
- 亡き父が植えし木の名を今日知りぬ白き花咲く満天星つつじ木下 美恵子(行橋東部地区連)
- すそ野まで実りし麦を刈り入れて遠き連山緑の深し志岐 咲江(和白地区連)
- 雨あがり蜜柑の枝に白き花陽の差すときにかすかに光る中村 智子(勝山地区連)
- 大鷺は蓑毛のすそを濡らしつつ長き足もてゆっくり歩く薛 光子(福間地区連)
光明歌壇 《2023年6月》
光明歌壇大内マツノ・選
- 花しべを踏みて小犬のおとなしく主人の喫煙済むを待ちをり西野 悦子(天神地区連)
- 如月の車窓に見ゆる麦の田は降りしく霙の水溜りいる稲葉 さつき(行橋東部地区連)
- 菜の花の蕾を摘みて和え物に昼餉の膳に春をあしらう薛 光子(福間地区連)
- 改札口に見送る母の背な淋し振り返らずにホームへ向かう上田 道子(宗像地区連)
- リハビリのリズムとなりて窓の外の鳥の囀り聞こえくるなり木下 美恵子(行橋東部地区連)
光明歌壇 《2023年5月》
光明歌壇大内マツノ・選
- 父からの法衣を着けて折りたる世界の平和明日への希望川島 久男(筑紫地区連)
- 老木に咲く白梅へ近寄りて一枝折りて髪にさしたり志岐 咲江(和白地区連)
- 青空に陽は射しくれど肌を刺す冷たき風にマフラーを巻く上田 道子(宗像地区連)
- 亡き母が最後にくれしサラダにはリンゴも入り具だくさんなりき木下 美恵子(行橋東部地区連)
- 冬の海波間漂うサーファーは大波つかみ一瞬で立つ宮森 和子(勝山地区連)
光明歌壇 《2023年4月》
光明歌壇大内マツノ・選
- 雪道を背中を丸め仕事ゆく古希の日近き夫を見送る中村 智子(勝山地区連)
- 川の辺に枝のばしたる栴檀の実は陽を浴びて金に輝く薛 光子(福間地区連)
- 豆撒きの終えて静もる境内に祝詞あがりて神鼓の響く西野 悦子(天神地区連)
- 合掌の母の背中の丸み帯び深き祈りに涙あふるる川島 久男(筑紫地区連)
- 亡き夫も母も好みし善哉を同じ立ち日に二椀供える稲葉 さつき(行橋東部地区連)