昭和43年に出版された『宮中見聞録』は、大正末から昭和初期と、敗戦直後の二度にわたって宮中にお仕えした著者が、皇室の伝統的な御精神を世に広く知らしめた、記念碑的な名著である。鹿児島湾上の聖なる夜景、荒天下の分列式などの様々なエピソードに、昭和天皇の国民を思う無私なお姿が浮かぶ… 著者によって推敲を重ねられたテキストと、遺族の保管の下にあった未発表原稿を加えて、新たに編集された皇室秘話の決定版。
【目次より】
京都東山御文庫
御践祚
陛下を飾るもの
陛下と皇室財産
御即位大礼雑録
荒天下の分列式
分列式のはじまり
鹿児島湾上の聖なる夜景
終戦後、再び側近にありし頃
天皇とその御責任
マッカーサー元帥との御会見の真相
皇居勤労奉仕発端の物語
国民に対する陛下の御期待
わが皇室の御伝統『和魂』
国家の主権*
陛下と阿育王
マッカーサー司令部の神道に関する指令について
昭和二十一年元旦に発せられた新日本建設に関する詔書について一言*
やまとごころと宗教
自由と民主主義*