●人間関係の葛藤をときほぐす画期的な「タオ」流アプローチ。
ユング心理学を大胆に発展させたプロセス思考心理学=プロセスワークは、個人の内面を対象にした従来のサイコセラピーに加えて、「夢」次元を扱うシャーマン的手法、自他一体を説くタオやインド哲学、さらには量子物理学の最新概念をも取り込んだ、ひとつの「生きる姿勢」と言えるでしょう。
そのプロセスワークを用いて、いかに人間関係の問題をときほぐしていくか?
わたしたちの言葉、姿勢、夢、周囲の出来事、世界……すべては互いに結びつき、影響を与えあっており、その背後には不可視の「ドリームボディ」=タオが存在する。そして、今・ここに、さまざまな形で顕れているドリームボディに対する気づきを深めていくことこそがその鍵である、と著者は言います。
家族やカップル、職場などの人間関係の葛藤をときほぐすとともに、個人の人生を突き動かしている深層の意味と力を理解し、さらには社会、国家、地球規模の問題にまでアプローチしようとする、21世紀を生きるための基本図書と言えるでしょう。
プロセス指向心理学(POP=Process Oriented Psychology)とは?
1970年代、当時ユング派の分析家であったアーノルド・ミンデルによって開発された心理学。「出来事の原因を見つけて取り除く」のではなく「起こっている出来事には意味や目的がある」という観点から、自分の身体や環境に現れる微細なプロセス(なにげない出来事や感覚)に対する自覚を高め、そのプロセスを無理に変えようとするのではなく、受け入れ、その感覚が変容していく道筋にしたがっていくことで、問題の解決を見いだそうとする非常に東洋的なアプローチである。個人や人間関係に限らず、グループ、昏睡状態の人とのワーク、いわゆる精神病状態の人とのワーク、依存症の人とのワークなど幅広い分野を扱っており、最近は、コソボやパレスチナ、インドなど紛争地区における民族間の対立などもワークショップ(「ワールドワーク」という)の対象に取り上げ、大きな成果をあげている。
【目次より】
第1章 ドリームボディの言葉
第2章 家族研究の展望
第3章 コミュニケーション・プロセスの因果論的側面
第4章 コミュニケーションの構造
第5章 チャンネルとシグナル
第6章 エッジ
第7章 家族のシグナル
第8章 カップルとのワーク
第9章 関係性における典型的プロセス
第10章 グローバル・ドリームボディ
第11章 セラピストの態度
第12章 地球心理学
第13章 質疑応答
訳者あとがき