赤ちゃん側からみた妊娠・出産・育児のベストな姿とは?
胎児の脳は、お母さんのこころを感じながら発達する――。 ベストセラー『胎児は見ている』(祥伝社)の著者による、 未来の幸せな子どもを育てるための、 妊娠期から乳児期までの最新科学のアドバイス。
◎胎児は人間のすべての感情や知覚をすでに持っている
◎受胎から出産までの母親の精神状態が、赤ちゃんの人格づくりを大きく左右する
◎母親の慢性的ストレスは、神経ホルモンを通じて胎児の脳に悪影響をおよぼす
◎母と子の「同調」(シンクロ)した反応の返し合いが、健康な脳の回路をつくる
◎0歳児教育よりも大切なのは、子どもを愛とやさしさで包んであげること
◎幸福で健康な赤ちゃんは、よく食べよく眠り、めったに泣かない
◎十分に愛されなかった赤ちゃんは、怒りやすく暴力的な若者に育ちやすい
◆本書を推薦します:医学博士 池川明
「妊娠から出産までの母親と胎児の関係は、 赤ちゃんの未来に大きな影響を与えます。 お母さんや家族の方々、そして医療・保育・教育従事者の方々に、 1日でも早く、1人でも多くお読みいただきたい本です。」
(原著タイトル)
Pre-Parenting: Nurturing Your Child from Conception Thomas R. Verny, M.D. and Pamela Weintraub
【目次より】
●本書によせて――医学博士 池川 明(池川クリニック院長)
●はじめに 育児の新しいパラダイム
●第1章 羊水の海で
命のはじまり
脳のデビュー
脳のネットワーク
脳の進化
脳の性別
胎児の脳に必要な栄養
オメガ3で胎児の脳をつくる
有害物質の深刻な危険
胎児への感染症の影響
母親の気分や感情と胎児
*まとめ
*育児のポイント
●第2章 胎児の意識のはじまり
胎児の感覚の起源
思考と意識のはじまり
胎児の音の世界
言葉の習得
胎児の痛み
*まとめ
*育児のポイント
●第3章 母親のストレスと胎児のこころ
母親のストレスの影響
ストレスホルモンと子どもの脳
母親のストレスと子どもの性の特徴
母親のうつの影響
妊娠と暴力
望まれずに生まれた子ども
妊娠中の喪失感を克服する――かつて赤ちゃんを失った経験をもつ母親のために
*まとめ
*育児のポイント
●第4章 子宮は学びの場
親になる準備
「養育者」と「管理者」との違い
「心のクモの巣」を取り去る
胎児との対話
◎ 第1のチャンネル――分子(ホルモン)によるコミュニケーション
◎ 第2のチャンネル――感覚によるコミュニケーション
◎ 第3のチャンネル――直感によるコミュニケーション
胎児のための「音楽のレッスン」
モーツァルト効果
出生前大学?
胎児の脳のパワーを高める
*まとめ
*育児のポイント
●第5章 出生体験は性格の形成にどう影響するか
出生の場面
赤ちゃんにやさしい出産をめざして
新生児によりよい環境を
出生時の神経ホルモンの分泌をうながす
出産の方法と子どもの性格との関係
出生時のトラウマ
出産のタイミング
出生体験と、子どもの自滅的な態度や暴力との関連
生まれた順序
*まとめ
*育児のポイント
●第6章 新生児の感覚と神経はこうして発達する
感覚の劇的な発達
情緒のレーダー
生まれたときの能力
赤ちゃんの痛み
悲しみの淵からの手紙
子どもの脳への、ストレスの影響
新生児集中治療室(NICU)の問題
マッサージとスキンシップのパワー
音楽のパワー
新しい知識を受け入れない人々
*まとめ
*育児のポイント
●第7章 「親密さ」という魔法
親子の「きずな」という要素
「きずな」に関する初期の研究
出生後の「きずな」のチャンネル
◎ 第1のチャンネル――愛着のホルモン
◎ 第2のチャンネル――母乳哺育による「きずな」
◎ 第3のチャンネル――親との同調
子どもの「社会的神経系」
刺激より大事な、親との相互作用
親密さのレッスン
子どもの不安定のタイプ
共働きの両親が愛着を築くためには
「自分の手で」子どもを育てる
*まとめ
*育児のポイント
●第8章 経験が脳をつくる
ビデオを駆使して
親の肯定的な態度の大切さ
脳の建築
赤ちゃんの知覚
「情緒の窓」が開くとき
母親の気分が伝染する
子どもとのやりとりで大切なこと
まわりの世界に踏み出す――「社会性の窓」が開くとき
「言葉の窓」が開くとき
親が子どもに与える思考様式
*まとめ
*育児のポイント
●第9章 初期記憶のミステリー
記憶のスイッチ
記憶の起源
細胞は忘れない
子どもの全身が記憶する
広大な無から自意識へ
出生の記憶
乳幼児の記憶
何を、なぜ、思い出すのか
「とりもどした記憶」の真偽は?
親は、自分と家族の過去を知ることが大切
*まとめ
*育児のポイント
●第10章 他人に子どもを預けるとき
保育所のジレンマ
保育所と上手につき合う
ベビーシッターに預けるには
子どもとテレビ
仕事と生活――すべてを計画的に
*まとめ
*育児のポイント
●第11章 間違いが起こるとき――悲しい子ども、怒れる子ども
攻撃的な子どもたち
暴力の起源
暴力のサイクル
暴力と脳
トラウマ・虐待・育児放棄の生理学
暴力のカクテル
精神的な虐待
認知刺激の奪と暴力とのつながり
精神疾患のルーツ
早期の防止と介入
*まとめ
*育児のポイント
●第12章 子どもの「善意」の基盤をつくる――思いやり、共感、利他主義の育て方
利他主義とは
三つで一つの脳
共感の心は誕生から
共感から利他主義へ
道徳的な子どもに育てるために
*まとめ
*育児のポイント
●第13章 意識的な子育て(コンシャス・ペアレンティング
◎ 第1のルール――自分のなかの悪魔に立ち向かう
◎ 第2のルール――すべてを手に入れることはできない
◎ 第3のルール――子どもは親の気持ちを知っている
◎ 第4のルール――子どもを固定観念で見ない
◎ 第5のルール――育児中に起こる葛藤に対処する
◎ 第6のルール――父親の愛も母親の愛と同じくらい大切
批判は子どもをダメにする
子どもを叩くことの是非
*まとめ
*育児のポイント
監訳者あとがき
原註
付録 「人格のルーツ――質問票」
「人格のルーツ――質問票」の解説