地球温暖化による異常気象は、21世紀の人類に対する最大の脅威のひとつと考えられています。ただ酷暑・暖冬になるだけでなく、その影響は、海岸線や島の水没、熱波、ハリケーン、干ばつ、洪水、その結果としての伝染病の蔓延、飢餓、居住地からの立ち退きなど、私たちの生存の基盤を揺るがすものになるのです。
政府や産業界がぐずぐずしている間に、それぞれの家庭での努力によって二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガス排出を60%削減することが可能である、と気象学者である著者のデイヴ・レイは言います。
4人家族のアメリカの中流家庭をモデルケースにして、家事、庭いじり、食べ物、お金、仕事、交通、そして葬式まで、日常生活と温暖化の因果関係がユーモアをまじえて克明に描かれており、ともすればお役所が発行したパンフレットのようになりがちな環境本のなかでは出色の面白さ。アル・ゴアの『不都合な真実』を観て、自分にできることは何かないのか、と考えている人にはうってつけの1冊です。
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【目次より】
第1章 ひとりひとりの力
第2章 あちこち移動する
第3章 まず、わが家から
第4章 空飛ぶイチゴ
第5章 わが家の裏庭で
第6章 どちらが得か
第7章 緑の遺産
第8章 灯を消す