宗教改革は“森の中”から
人類社会が「都市化」へと偏向しつつある現代において、宗教は都会を離れ、自然に還り、世界平和に貢献する本来の働きを遂行する時期に来ている。
本書は、国際本部移転後の生長の家の運動の方向性を示す、ブログ記事や全国幹部研鑽会での講話、秋季大祭での挨拶などを収録したもので、第1部「宗教は動く」、第2部「新しい文明の実現を目指して」の2部立て、全7章で構成。
第1部第1章「運動の変化について」では、時代即応の生長の家の運動の変遷について詳述。第2章「神・自然・人間の大調和に向けて」では、『大自然讃歌』と『観世音菩薩讃歌』は、谷口雅春先生の『四部経』や『生命の實相』に説かれた「自然と人間の調和」に関する教えを補強されたものであることを明示。
第2部第1章「偏りのない文明の構築へ」と第2章「対称性の論理を学ぶ」では、生活の中で「都会」と「自然」のバランスをとることの必要性を、第3章「宗教における都市と自然」では、宗教が都会から自然の中へと本拠地を移すことの意義を詳述。第4章『「ムスビ」の働きで新価値を創造しよう』では、タカミムスビノカミ(高御産巣日神)とカミムスビノカミ(神産巣日神)を新価値創造の「ムスビ」の神様と意識して運動することを提唱。第5章「なぜ肉食から遠ざかるべきか?」は、肉食忌避の宗教的意義を詳述している。
著者は本書の中で、宗教が都会を離れ、自然に還り、世界平和に貢献すべき時であると強調している。生長の家信徒だけでなく、若い世代を含め、多くの人々に勧めたい。
【目次より】
第一部 宗教は動く
第一章 運動の変化について
第二章 神・自然・人間の大調和に向けて
第二部 新しい文明の実現を目指して
第一章 偏りのない文明の構築へ
第二章 対称性の論理を学ぶ
第三章 宗教における都市と自然
第四章 「ムスビ」の働きで新価値を創造しよう
第五章 なぜ肉食から遠ざかるべきか?
参考年表
初出一覧
参考文献
●「はしがき」より
私たちの心の持ち方は、生活の場が都市と自然の中とでは大きく異なる。そして、「都会的要素の偏重」は人間の本性に反する。このことが重要なのは、今日、世界の人類の半数以上が都市生活者になったからで、それによって今後、人間社会はもちろん、資源・エネルギーの需要や環境への影響もマイナスの方向に拡大すると予測されるのである。私は、人類社会が「都市化」という一方向へ偏りつつあることが、現代の様々な問題を生む大きな原因の一つだと考える。