今回のブックレビューは、
*** 『新しいチャンスのとき』           谷口清超(著)  ***
*** 『人生に「イエス」と言おう! ―楽天主義の健康法』
                   クライヴ・ウッド(著) 石井清子(訳)  ***

です。内容を一部抜粋してご紹介します♪♪




新しいチャンスのとき


著者:谷口清超




いつもニコニコ(p.195〜197)

「九州のある病院に、重い皮膚病のお婆さんが入院していたのです。かゆくて、痛くて、たまらない。皆さんが同情しているが、そのお婆さんは少しもグチをこぼさない。その上いつもニコニコしていた。すると同室の患者さんが、自分よりつらい思いをしているあのお婆さんがいつもニコニコしているから、私も頑張ろう―― と感心して、大変励まされたということです。又山の中を歩いている人が、道に迷って方角が分からなくなった。ところが夜になるとはるか彼方に一軒家の灯を見つけた。そこで夜が明けてから、その家のあたりに歩いて行って、ようやく助かったのです。一軒家の人は、何も人を助けるために灯をつけていたのではないが、そこにそうやって住んでいることが、人の生命を助けることになった。そんなことだってあるんですよ。だからあなたは決して無価値な人間ではない……」
 なるほどそうか、と頭では分かるが、心では中々納得できない。そこで小倉さんは死んでしまおうと思い始めたのである。しかし、二月も三月も絶対安静をしていたから、手足の力がなくなり、起き上がろうとしても起き上がれない。だから死ぬ手段がないのである。そこで遂にある夜、「神様、助けて下さい」
 と祈っていた。すると夜半に、ハッと心が軽くなった。それは「自分が生きているのではなく、神様によって生かされているんだ。摂理によって今までこうして生きて来た、自分で生きているんじゃない……」と気が付いたからであった。
 こうして「生かされている自分」に気がついたのを転機として、彼の中に生きる力が湧き上り、病気の方もよくなって行った。そこへ結核専門の先輩の医者が訪ねて来て、大学病院に転院させてくれ、さらに全治するまでになったという話であった。こうして人は、ただ単に生きているだけでも、何かを学ぶことが出来るし、さらに人を救う働きをすることも出来るのである。ただニコニコとして痛みやかゆみに堪えていても、それでも人々を励ますことが出来る。それは人間自身に内在する「生かされているいのち」によるのであり、しかもこの現象界の不自由や病苦や争いは、本当は実在しないからである。実在しない現象に、救いの力があるか。それは現象の奥にある神の子・人間の実相のあふれ出す力によるのであり、この力を称して「観世音菩薩の救いの力」と呼ぶのである。





人生に「イエス」と言おう!
楽天主義の健康法


著者:クライヴ・ウッド
訳者:石井清子  



三つの要素(p.177〜178)

 この三要素――(一)コントロール、(二)参加、(三)挑戦、本書で強調したい人生肯定派の特性――は、人生に「イエス」と言うのに重要な要素であり、すでに見た通り他の様々な研究でも支持されている。
 (一)自他に対するコントロール能力のある人は、事件が起こってもうろたえたり恨んだりせず、なぜその出来事がわが身に起こるのか、その原因をまず知ろうとする。この人たちは、ストレスの元となる出来事は予測可能だし、大部分は自分自身の行動の結果だと考えている。そして最終的にはその出来事を自分で変えられると確信している。
 (二)参加することは、自分の姿勢と行動の重要性を信じることだ。人生への主体的な参加により、「人生の目的」という必要不可欠な感覚が得られる。この感覚は主体性の一つの形だが、その獲得には他人との関わりが不可欠なので、たんなる自尊心とは異なる。前向きの人は、仕事、家族、人間関係に主体的に参加している。彼らは困難な時には他人を頼ることができるし、逆に他人が困っている時には自分もその人たちのよりどころになれると考えている。
 (三)チャレンジ精神をもっている人は、安定よりはむしろ変化が世の中の常だと信じている。だから安全が脅かされることを心配するよりも、変化がもたらす可能性を受け入れる。新たな興味深い経験を待ち望んでいるとも言えるだろう。そしてこの人たちは、生まれつき「自分は安全である」という感覚をもち、自分の方向性を最高に生かす方法を知っているのだ。
 コバサは、研究論文の中でこう述べている。「前向き度(頑強尺度)の高い人は、疎外感を感じずにたやすく行動に参加し、出来事の(少なくとも)一部を無力感を感じることなくコントロールできると信じ、変化を脅威ではなく発展への足掛り、または起動力とみなす。その結果前向きの人は、意志決定、人生の重要事項の把握、新たな目標の設定のためのチャンスを手に入れるなどの能力が高まる。前向きの人は、いかなる出来事もライフ・プランの枠組みの中で評価できるのである」。